綾辻行人

綾辻行人

あやつじゆきと

京都生まれ。京都大学教育学部、同大学院博士課程卒。「時計館の殺人」で日本推理作家協会賞。「新本格」ブームの先駆けである。作家の小野不由美さんが奥さん。宮部みゆきさんとは出生年月日が同じである。

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感想一覧

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十角館の殺人

綾辻行人 著 / 講談社文庫 / 3.5 / *

あらすじ

半年前凄惨な四重殺人の起きた孤島で、奇妙な建物「十角館」が彼ら7人を待ち受けていた。恐るべき連続殺人の罠。

「十角館の殺人」の感想

クリスティーの「そして誰もいなくなった」(←ダイスキ!)を彷彿とさせますが、残念ながら完成度は遠く及ばずといった感じです。

「アリバイ工作」しかトリックがないのに、いつ目撃されても仕方ないようなズサンな工作ぶりに衝撃を受けました。マニアじゃないと分からないような、固有名詞の応酬を作品に書いちゃう事実にも驚きました...。それだけのマニアという設定をしながら、推理ゲームでは何のトリックもないミステリにお手上げ状態という、意味の無い「マニア」設定でした。

その、マニアだったはずの被害者は被害者で、毒入りでもおかしくない状況でよく見もせずカップを取ったり(気づけ!)、夜は周囲の動きも気にせずグウグウ寝ていたり(図太過ぎ!)、一人でフラフラ出歩いたり(そういう人がいつも殺られるでしょ!)という離れ技の数々を見せつけます。

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水車館の殺人

綾辻行人 著 / 講談社文庫 / 3.5 / *

あらすじ

水車館の主人は、過去の事故で顔面を傷つけ、常に仮面をかぶる。そして妻は幽閉状態の美少女。ここにうさんくさい客たちが集まった時点から、惨劇の幕が開く!

「水車館の殺人」の感想

館の2作目。あからさまシチュエーション、ありきたりのストレートな手がかり、どこかで見たような冒頭シーンで、「プロローグだけで、犯人およびメイントリックまで読めてしまう」というのはミステリとしてあまりにふがいない作品でした...。そんな冒頭シーンの後に続くのは、予想を裏付けるための「意図の分かりやすい最初の殺人」「あのトリックに都合の良い状況を示す情報」などであり、想像を絶する懇切丁寧な構成です。なぜここまで、冒頭部で丸分かりにしなければならないのでしょうか...。あまりに分かり過ぎると、読者として嬉しいと感じるよりも驚きを感じるという事を知りました。まぁ、探偵が灰色の脳細胞のキレを見せてくれれば、探偵物として楽しめるのですが...、ダメ探偵でした。

相変わらず人物描写には首をかしげますし、時折「あれ?」と思う描写がありますが、トータルで見て十角館よりは好きです。過去と現在をリンクさせながら展開していく構成自体は良かったですし。

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迷路館の殺人

綾辻行人 著 / 講談社文庫 / 3.5 / *

あらすじ

奇怪な迷路の館に集合した四人の作家が、館を舞台にした推理小説の競作を始めたとたん、惨劇が現実に起きた。完全な密室と化した地下の館で発生した連続殺人の、驚愕の結末は。

「迷路館の殺人」の感想

館シリーズ第3作目。今回の趣向は、本の中に本。こういう構成にするからには、通常のミステリの中ではひっくり返せないような基本的な部分で何かあるのだろうなと冒頭から思わせます。当然、その期待を裏切らない展開でした。とは言えそのラストも、同じ「作中作」の手法で私を混乱の渦へと突き落とした「死の泉」ほど混乱を招くようなものではありません。安心しました。良かったです...。

今回は、その犯罪トリックそのものに「館の仕掛け」を積極的にからませてあり、館シリーズの名に相応しい初めての作品ではないでしょうか。次が楽しみです!

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人形館の殺人

綾辻行人 著 / 講談社文庫 / 3.5 / *

あらすじ

亡父が残した「人形館」に移り住んだその時から、驚倒のドラマが開始した。近所では通り魔殺人が続発し、やがて...!

「人形館の殺人」の感想

館シリーズ4作目。本作も文庫化を機会に、つじつまの合わない部分を改めたそうです。文庫で読む私には嬉しい限り。

これまでの4作中では、本作が最も良い出来の作品でした。本文中の「過去の館シリーズへの注釈」はもちろんですが、本作が「綾辻行人による館シリーズ4作目である」という事実そのものが、シリーズを既読の読者に対して1ページ目を開く前から既に張られていた伏線だったとも言えるのですから、これには参りました!

人間の描写にもこれまで程の違和感を感じなかったし、この著者がずっと描いてきた「ミステリとしてあまりにスタンダード」とも言える路線からも逸脱しないにも関わらず、一皮剥けたと感じられる一作でした!

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時計館の殺人

綾辻行人 著 / 講談社文庫 / 4.0 / *

あらすじ

鎌倉の森の暗がりに建つその時計館で10年前1人の少女が死んだ。館に関わる人々に次々起こる自殺、事故、病死。死者の想いが籠る時計館を訪れた9人の男女に無差別殺人の恐怖が襲う。

「時計館の殺人」の感想

日本推理作家協会賞授賞作。館シリーズ5作目。1作目を読んだ時は、正直もう読むの止めようと思いましたが、止めなくて良かったです。1作1作良くなって来るというのは、読者としては嬉しいですね!

館シリーズを読んでいて、人に薦めてもいいかも知れないと思えた作品は、本作が初めてです。どんでん返しの切れは今ひとつですが、今回はとにかくメイントリックがいいです! 犯人だとか動機だとが生きてくるためには、本格推理の場合やはりメイントリックが良くないと駄目なのだなぁと再確認させられる作品でした。「十角館」の時と比較して、危機的な状況に置かれた人間がきちんと描かれ、人間が人間らしくなってきたのも、楽しめた要因の一つだと思います。

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黒猫館の殺人

綾辻行人 著 / 講談社文庫 / 3.5 / *

あらすじ

自分が何者なのか調べてほしい。老人はそう訴えた。手がかりとして渡された「手記」には、彼が遭遇した奇怪な殺人事件が綴られていた。しかも、事件が起きた屋敷とは、あの中村青司の手になるものだった。

「黒猫館の殺人」の感想

館シリーズ6作目。クイーンとポーの作品へのオマージュであることを、あとがきに著者が明言している作品です。きっと、読んだ事のある方なら感じるものもあるのでしょうが、両方読んだ事のないダメな私です...。それらを読んでおけば、より楽しめたのでしょうか。それとも、ガッカリさせられたのでしょうか...?

メイントリックは、大掛かりな割りに驚きが薄くなるよう、あえて描かれていたのでしょうか。いかにも怪しい人物には、「やっぱりね」と思える真実を用意しておくのが、綾辻流なのでしょうか...。せっかく、「人形」「時計」といい作品だったのに、また今ひとつだなぁ、と思った「館」でした。

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