江國香織

江國香織

えくにかおり

東京都生まれ。目白学園女子短期大学国文科卒。出版社勤務ののち、米国デラウェア大学に留学。「草之丞の話」で「小さな童話」大賞、「409ラドクリフ」でフェミナ賞を受賞。「きらきらひかる」が紫式部賞、「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」で山本周五郎賞を受賞。「号泣する準備はできていた」で直木賞受賞。父親は随筆家の江國滋。

spacer

ファンサイト

spacer
spacer

感想一覧

spacer
spacer

流しのしたの骨

江國香織 著 / 新潮文庫 / 3.0 / *

あらすじ

四人姉弟と父母の六人家族。幸福な宮坂家の、晩秋から春までの出来事を静かに描いた物語。

「流しのしたの骨」の感想

本作は、六人家族を描いた物語。江國香織の作品だな、という雰囲気はあります。しかし、ただ雰囲気だけ、言葉だけの物語ではないでしょうか? 読んでいても全く心に響いて来ません。ヒロインの一人称で語られるにも関わらず、彼女はどこか無感情、無感動です。家族の物語なのに、それぞれがその兄弟たち、子供たちにあまりにも無関心過ぎて、恐ろしい程でした! 江國香織は、そんな表情のない家族を描きたかったのでしょうか。本当に?

例えば、未婚である娘の一人が「他人の子供」を引き取りたいと言い出す。しかし家族は、ほとんど何も考えず、ただ肯定します。人間らしいのは、その子供の母親と、その家族のだけです。またもう一人の娘が、理由も分からないような人生の決断をしようとする。この時も家族はそれを放置、あるいは無関心に受け入れるだけ...。頭を使って、考えようとする者は一人もいないのです。最低の家族の、最低の日常ホラーに見えてしまいました。

他のサイトでも感想を見る or 購入する

* 書影の著作権は各出版社にあります

spacer

▲ Top of this Novelist

spacer

落下する夕方

江國香織 著 / 角川文庫 / 3.5 / *

あらすじ

梨果と八年一緒だった健吾が家を出た。それと入れ替わるように押しかけてきたのは、健吾の新しい恋人・華子だった。奇妙な三角関係。

「落下する夕方」の感想

別れた彼氏、その新しい彼女、そしてヒロインの三角関係を描いた物語です。江國香織さんの本を読んで最近特に思うのは、感情移入が全くできないという事。カツヤノカナイという人が、ヒロインにこう問いかけるシーンがあります。「どうして華子さんと住んだりできるの?」 本当に、私も全く同じ疑問を感じますよ。

華子という女性のことが、余程オカシイ女であるかのように描かれていますが、実際はそうでもありません。むしろ、オカシイのはヒロインの方です。ヒロインに比べれば華子の方が、まだ理解できます。だって、彼女の方が何倍も、人間らしい感情を持っているのですから。

他のサイトでも感想を見る or 購入する

* 書影の著作権は各出版社にあります

spacer

▲ Top of this Novelist

spacer

すいかの匂い

江國香織 著 / 新潮文庫 / 3.5 / *

あらすじ

あの夏の記憶だけ、いつまでも同じ明るさでそこにある。つい今しがたのことみたいに...。11人の少女の、かけがえのない夏の記憶の物語。

「すいかの匂い」の感想

11人の少女(あるいは昔少女だった女性)の一人称で語られる、短編集。明るい少女時代の記憶たちというよりは、どこかに暗いものを秘めた感じがします。中でも好きな作品は、「あげは蝶」。自分の体に流れている「血」を嫌悪する少女の物語ですが、少女らしい、頑なな思い込みに満ちた嫌悪感が新鮮だし、ラストシーンも良いです! 短いのに、すごく深読みしてしまう一編でした。

江國香織さんの作品で、楽しめた作品は正直久しぶりでした...。「きらきらひかる」以降、奇をてらった人間関係を描きたいばかりに、どこか非人間的な人間を描いたような話が多くなってきて、辟易していた所でしたから。

他のサイトでも感想を見る or 購入する

* 書影の著作権は各出版社にあります

spacer

▲ Top of this Novelist

spacer

神様のボート

江國香織 著 / 新潮文庫 / 3.5 / *

あらすじ

昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をし、その結果あたしが生まれた。。必ず戻るといって消えたパパを待ってママとあたしは引越しを繰り返す。

「神様のボート」の感想

ママのパパへの恋。そこには、子供から見て未だに、「相手のいない恋愛」を続けているように見えるママがいるのです。しかし、その「相手のいない恋」に子供を巻き込んでしまうなんて...。

側にいない男に長い「恋」をし続ける。彼を待ちつづけるが探すわけではない。物語に描かれる葉子の「執着」は、純粋だとかそうでないとかではなく、大切な人に裏切られ傷ついた心の裏返しなのでしょう。娘が成長すればするほど、葉子の時間が止まってしまっていることが際立つ、辛い物語でした。最後まで読んでも、どこか満たされない物語でした。

他のサイトでも感想を見る or 購入する

* 書影の著作権は各出版社にあります

spacer

▲ Top of this Novelist

spacer

冷静と情熱のあいだ<Rosso>

江國香織 辻仁成 著 / 角川書店 / 3.5 / *

あらすじ

10年前の雨の日に、大切な人を失った。あのとき、十年後という、たわいもない約束をした。切ない愛の奇跡を、男女の視点から分けて書いた物語。

「冷静と情熱のあいだ」の感想

1つの恋愛を、男性側からと女性側からの二つの視点で2人の人気作家が描くという、面白い試みを行った作品。辻仁成の<Blu>の感想はこちらです。結構話題にもなり、私には珍しくハードカバーで購入しました。未読の方は最初に「Rosso(江國香織著、女性側)」を、次に「Blu(辻仁成著、男性側)」をお読みになるべきでしょう。というのは、BluとRossoではラストが違うので...。「Blu(辻仁成著、男性側)」のラストが、この一対の小説における本当のエンディングです。

正直言って、葵のかたくなな性格も、順正の理解に苦しむ性格も、なかなか感情移入し難かったです。異色の共著という試みの面白さで、読みきれた気がします! 共著の影響だと思いますが、これまで江國さんの作品には絶対出て来なかったようなタイプのヒロインで、新鮮さは感じました。それにしても、十年という時間は、たわいもない約束を信じるにはあまりに長過ぎる時間ですよね...。特に女にとっては。ここは、女性作家単独で書くと、もう少し短い時間を設定するであろうというところです。

他のサイトでも感想を見る or 購入する(Rosso/文庫版)

* 書影の著作権は各出版社にあります

他のサイトでも感想を見る or 購入する(Blu/文庫版)

* 書影の著作権は各出版社にあります

spacer

▲ Top of this Novelist

spacer

すみれの花の砂糖づけ

江國香織 著 / 新潮文庫 / 3.5 / *

あらすじ

<すみれの花の砂糖づけをたべると/私はたちまち少女にもどる/だれのものでもなかったあたし>。著者の初の詩集。単行本版に12編を増補。

「すみれの花の砂糖づけ」の感想

著者初の詩集。タイトルは、とても「甘そう」です。しかし実際は、思いのほか「甘さ控えめ」でした。恋を知って、愛を知って、別れを知って、結婚を知った大人の女性が、改めて少女時代を振り返りながら、少しの皮肉と、女としての辛さと喜びを謳ったというような詩が多く、面白いです。

いつもの小説とかけ離れたものではなく、いつもの小説の延長あるいはその前段階的に生まれた文章たち、という感じもあります。良くも悪くも、小説を読んでいるのとあまり変わらない感覚で、読めてしまった気がします。「うしなう」「ぐわりとさびしくなるのでしょう」が好みでした。

他のサイトでも感想を見る or 購入する

* 書影の著作権は各出版社にあります

spacer

▲ Top of this Novelist

▲ Back to Index of Novelists