江國香織

江國香織

えくにかおり

東京都生まれ。目白学園女子短期大学国文科卒。出版社勤務ののち、米国デラウェア大学に留学。「草之丞の話」で「小さな童話」大賞、「409ラドクリフ」でフェミナ賞を受賞。「きらきらひかる」が紫式部賞、「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」で山本周五郎賞を受賞。「号泣する準備はできていた」で直木賞受賞。父親は随筆家の江國滋。

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感想一覧

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泳ぐのに、安全でも適切でもありません

江國香織 著 / 集英社文庫 / 3.5 / *

あらすじ

安全でも適切でもない人生のなかで、愛にだけは躊躇わない――あるいは躊躇わなかった女たち。愛する事と幸福とは同義では決してなく、彼女たちの潔さは泣きたくなるほど切ない。

「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」の感想

短編集。「愛にだけは躊躇わない」という潔い謳い文句とは裏腹に、どこか孤独な人間関係が浮かび上がるような短篇が多かったように思います。江國香織の得意とする、「不自然(だが、さも自然であるかのように描いた)」な人間関係からは、いつも孤独と寂しさを感じてしまいます。もっと深くその関係に描写が踏み込んで行けば、不自然さから来る歪みが噴出してくるように思えて、恐ろしくなるのです。そこまで描写せず、臭い物には蓋をして、表面だけを「雰囲気重視」で描いているような文章が、読むほどに物足りなく思えてしまう今日この頃です。

不倫の話もいくつかありましたが、妻がいる男性を躊躇わずに愛し、相手の妻を意識しないで「不倫関係」を続ける事ができたとしても、そういう関係はどこかに孤独を抱えているような気がして、悲しいです...。そして、不倫の美しい部分だけを描いたような作品に、「愛にだけは躊躇わない」という文句は似合わないと思いました。山田詠美風とも思える作品もチラホラあり、解説が山田詠美。これは編集者の演出でしょうか。

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ぬるい眠り

江國香織 著 / 新潮文庫 / 3.5 / *

あらすじ

半年間同棲していた耕介と別れても、雛子は冷静でいられるはずだった。だが、高校生のトオルとつきあっていても、耕介への想いはじわじわと膨らんでゆく(表題作)。『きらきらひかる』の十年後を綴る作品など、全九編。

「ぬるい眠り」の感想

「きらきらひかる」の続編が読みたくて買った短編集です。おそらく、同じ動機で本短編集を購入する人は多いでしょう...。ちなみに、続編は最後の方に収められている「ケイトウの赤、やなぎの緑」「きらきらひかる」の笑子たち3人がメインではないため、続編と言うより番外という感じでしょうか。10年後にあたる物語ですが、その後彼らがどうしていたかが少し垣間見えます。それ以上に感じるものは、特に無い作品でしたが…。とにかく懐かしく思いました。「きらきらひかる」の紺くんには、今別の恋人がいて、恋人さんのお姉さんが本編の主人公になっています。

全体に、軽い感じの短編集です。1989年から2003年と著作時期に開きがあるせいだと思いますが、作品ごとに雰囲気が異なり、飽きずに読む事が出来ました。江國さんの作品は雰囲気重視なせいか、最近は途中で飽きてしまうというか、前に読んだような気分になる作品が多くなっていたのですが...。短編集として素晴らしいと思わせるようなまとまりも完成度もありませんが、読みやすいとは思いました。「災難の顛末」などは少しブラックなユーモアもあって、面白く読めました。

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<追加した書評>
【ぬるい眠り /新潮文庫】
−あらすじ−
半年間同棲していた耕介と別れても、雛子は冷静でいられるはずだった。だが、高校生のトオルとつきあっていても、耕介への想いはじわじわと膨らんでゆく(表題作)。『きらきらひかる』の十年後を綴る作品など、全九編。

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