東野圭吾

東野圭吾

ひがしのけいご

大阪市生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。『放課後』で江戸川乱歩賞。『秘密』で日本推理作家協会賞。『容疑者Xの献身』で直木賞を受賞。

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感想一覧

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放課後

東野圭吾 著 / 講談社文庫 / 3.5 / *

あらすじ

生徒指導の教師が死んだ。問題児、美少女、アーチェリー部の主将...。犯人候補が続々登場する中、第2の殺人が。

「放課後」の感想

乱歩賞受賞作。密室トリック、丁寧な伏線、周囲に満ちた殺意、となかなかワクワクさせる作品でした。「不必要な」密室トリックであれば、「凝っただけ」と思ったかも知れない展開でしたが「絶対に必要な密室トリック」であったところが個人的にはツボでした!

「秘密」などの作品とは全く雰囲気が違うのですが、登場人物それぞれに魅力があって、人物の描写が相変わらず上手いです。ただ、全ての発端が「そんな事あるわけないよ...」と女性ならきっと思うはずの出来事であり、「著者が男性だからなぁ」という割り切りが必要でしょうか。

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宿命

東野圭吾 著 / 講談社文庫 / 3.5 / *

あらすじ

男の前に十年ぶりに現れたのは、学生時代にライバルだった男。彼は、初恋の女性の夫となっていた。刑事と容疑者、幼馴染の二人が宿命の対決を果たす。

「宿命」の感想

二人の男をめぐる「宿命」の物語です。作中で起こる殺人事件も、彼らの宿命の一部でしかありません。犯人は誰なのかということよりも、「彼らを結びつけるもの真実」が見所であるミステリです。デビュー作「放課後」のようなシンプルなミステリを越えて、「秘密」以降の作風へ向かっていく変化の始まりとも言える作品でもあります。

この作品で、特に素晴らしいのはラストシーン。ラストシーンの、最後の一行がとにかく良いです! このセリフが有るのと無いのとでは、大きく読後感が変わるでしょう。なんとも「ニクイ」セリフでした。

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分身

東野圭吾 著 / 集英社文庫 / 3.5 / *

あらすじ

氏家鞠子は、自分にそっくりの女性がテレビ出演していたと聞いた。小林双葉は、なぜか母親からテレビ出演を禁止される。この二人を結ぶものはなにか。

「分身」の感想

「分身」の意味する所や背景については、(今となっては)誰にでも容易に予想がつくと思います。恐らく、これからこの本を手に取ろうという人が、本作を読んで驚愕の真実!と思うことはあまりないはずです(初版で読んだ方は、驚いたかもしれませんが...)。しかし、そのミステリを置いても、二人のヒロインが巻き込まれていくサスペンスとして、十分に楽しめる作品になっています。

少し気になったのは、50ページも進まないうちに「発生工学」という言葉が出て来てること。この単語が出て来たら、「予想がつく」と言うレベルを超えて、完全にネタバレだと思うのですが...!? どうしてそんな冒頭でネタバラシをしてしまうのかと驚きましたが、きっと当時は知られていない学問だったのでしょうね。

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秘密

東野圭吾 著 / 文春文庫 / 5.0 / *

あらすじ

妻と小学生の娘を乗せたバスが、崖から転落!意識を取り戻した娘の体には、妻・直子の意識が宿っていた。

「秘密」の感想

泣かされました! それも通勤途中のバスの中で(恥)! あらすじを読んだ段階では、「ありがちだし、面白くなさそう」と思ったにも関わらず、複雑な状況に置かれた夫婦の心情の描写の巧みさに引き込まれてしまいました! 特に物語の終盤は、描写・物語性共に秀逸。また、ラストも素晴らしいです。二人が最後に背負った「秘密」の重さが切なく胸に迫り、余韻を強く残します。

平介の気持ちがグッと来るのはもちろんですが、同じ女性として苦しい選択を迫れた妻の直子の苦しみも、読後考えれば考えるほどに辛かったです...。直子の行動は、二人で秘密を共有したい気持ちと夫を苦しめたくない気持ちの間で苦しんで、片方を選び切れなかった結果だと思うので...。

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私が彼を殺した

東野圭吾 著 / 講談社文庫 / 4.0 / *

あらすじ

愛憎の果てに起こった殺人には、3人の容疑者が浮かびあがった。毒入りカプセルの行方は。そして誰が殺人者なのか?

「私が彼を殺した」の感想

「犯人はあなたです」加賀刑事のこの言葉で物語は終わるのですが、犯人が誰なのかは、名指しされません。そう本作は、解決編のないミステリなのです。「さぁ、誰だ?」と試されているようで、読む前からワクワクしました...。あえて解決編がない所にそそられるとは、自分でも予想しない感情でした!  ただし、文庫版の巻末には解決編とも言える親切な推理の手引きがついていたため、少し残念な気がしてしまいました。

出版時にはネットで推理合戦が繰り広げられたらしいですが、文庫買いの私には無縁でした...。

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白夜行

東野圭吾 著 / 集英社文庫 / 3.5 / *

あらすじ

1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。被害者の息子と容疑者の娘の周囲に見え隠れする、いくつもの恐るべき犯罪。そして19年...。

「白夜行」の感想

雪穂という美少女と、桐原という暗い目の少年の周囲に起こる事件を描いた作品です。本作は、ロジカルなトリックの作品でも、「秘密」に代表されるような感動的な物語という事でもなく、東野圭吾の作品ではこれまでに読んだことのない系統の作品でした。著者は本作で、犯罪により心を破壊された人間の悲劇とその生きる姿を描いています。「白夜行」の内容は、これまでに著者が描いたミステリとは一線を画すものでした。

殺人を描いたミステリでは、その殺人がどのように行われたのかが探偵役の人間の推理の元に明らかにされるものですが、本作では起こった犯罪のすべてがその詳細を明らかにされているわけではありません。犯罪がどのように行われたのかよりも、何故そのような犯行を行ったのか、そのような残酷な事を行えるほど心を破壊されてしまったのは何故なのか、という部分がクローズアップされています。しかし、東野圭吾の物語を常に支えてきた人間描写が、本作のような作品でこそ真に迫るべきと思うのですが、特に重要な雪穂の行動に同じ女性として見て「疑問を感じる」点が多いのは辛いです。処女作の「放課後」でも思いましたが、女性の性的な部分に対する考えが著者はかなり偏っているような気がします。全体的に、本格ミステリ志向の方にはオススメできない種類のミステリだと思います。かなり、賛否が分かれそうな作品でした。

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容疑者Xの献身

東野圭吾 著 / 文藝春秋 / 4.5 / *

あらすじ

天才数学者でありながらさえない高校教師に甘んじる石神は、愛した女を守るため完全犯罪を目論む。湯川は果たして真実に迫れるか...。

「容疑者Xの献身」の感想

直木賞受賞作。真実が明らかにされた終盤、そのあまりにも一途な献身に驚愕しない者がいるでしょうか。彼の行動の真意は、完全に私の想像を超えていました...!最近は心理描写で魅せる作品が多い東野圭吾ですが、本作はかなり簡潔な描写で、ロジカルなトリックを際立たせます。

石神は確かに愛した女性に身も心も捧げた男ですが、本作は恋愛小説などではなく間違いなく東野圭吾のミステリ。著者の初期の作品を彷彿とさせるようなシンプルだがしっかりとしたトリックに主眼を置きながらも、いつも一味違うと読者に思わせる著者らしい作品でした。このトリックは、本当にすごい...。久しぶりに、トリックそのものに対して純粋に唸りました。この石神と言う男を造形したからこそ、このトリックでも許されるのだと思います! 石神の頭脳は、警察の推理を完全に上回っていました。しかし、彼は女性というものに対してだけは理解が不足していたのかもしれません...。石神の叫びが、忘れられません。

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