林真理子

林真理子

はやしまりこ

山梨生まれ。日本大学卒。「最終便に間に合えば」「京都まで」で直木賞。「白蓮れんれん」で柴田錬三郎賞。「みんなの秘密」で吉川英治文学賞を受賞。

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最終便に間に合えば

林真理子 著 / 文春文庫 / 3.5 / *

あらすじ

OLから造花クリエイターに転身した美登里は、旅行先の札幌で七年前の男と再会する。空港へ向かうタクシーの中、男は昔のように美登里を誘惑してくるが...。

「最終便に間に合えば」の感想

表題作「最終便に間に合えば」「京都まで」(共に本書所収)が直木賞受賞作です。林真理子ほど、女性のズルさ・汚さを正面切って描く女流作家はいないのではないでしょうか。読んでいて嫌になるほどズルくて、思っていたことの半分も口にせず、感情より計算が先に立ち、常に駆け引きが恋の周囲にある女たち...。実は、とても苦手な作家さんです。

表題作では、「最終便」という理由によって、過去を振り切ろうとする女性が描かれています。「自分も長原も、なんと意地汚い存在なのだろうか」 終盤のこの一行さえ無ければ、本作を傑作と評せたでしょう。自分から男を呼び出した時点で負けていることに気づかない、成長のない女の物語として。彼は、自分に多少の未練があるらしい過去の女に、一緒にいる間だけの執着を演じた、ズルさなどとは無縁の男でした。浅はかで、意地汚い存在は女だけだったのです。

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* 書影の著作権は各出版社にあります

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