北原亞以子

北原亞以子

きたはらあいこ

東京都生まれ。千葉県立千葉女子高校卒。「粉雪舞う」で小説現代新人賞佳作。「ママは知らなかったのよ」で新潮新人賞。「深川澪通り木戸番小屋」で泉鏡花文学賞。「恋忘れ草」で直木賞。「江戸風狂伝」で女流文学賞受賞。

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恋忘れ草

北原亞以子 著 / 文春文庫 / 3.5 / *

あらすじ

新進気鋭の女流絵師おいちは、彫氏の才次郎と恋に落ちる。しかし、才次郎には女房と子供の待つ家があった...。江戸の町で恋と仕事に生きた「キャリアウーマン」たちの哀歓を描く。

「恋忘れ草」の感想

直木賞受賞作。連作短編集になっています。全てが江戸の町で仕事を持つ女性の恋と、生き方を描いたものです。これが現代を舞台にした作品ならば、仕事と恋そして時には不倫を描いた作品が山ほどあって、私の好みには少しも合わない作品ばかりのはずなのに...。本作は良かったです! 現代よりも人間の関係がシンプルで、人と人とをつなぐ道具が少ないからこそ、女性の心情がはっきりと見えて来るように思いました。その想いが、仕草の一つ一つからさえ匂い立つように、全編に満ちています。

もちろん、女性が男性と対等に働こうとする時の、現代キャリアウーマンの苦しみを本当に描いた作品ではないと思います。しかし、江戸の町に生きる彼女たちの悔しさや、想いを感じられる素敵な一冊でした。

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