北村薫

北村薫

きたむらかおる

埼玉県出身。早稲田大学第一文学部卒。「夜の蝉」で日本推理作家協会賞受賞。

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感想一覧

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空飛ぶ馬

北村薫 著 / 創元推理文庫 / 4.5 / *

あらすじ

ごく日常的な観察の中から見出される、不可解な謎。女子大生「私」の日常に潜む謎とは。

「空飛ぶ馬」の感想

「円紫さんと私」シリーズと呼ばれるものの第一作目。推理物の、連作短編集です。不思議な夢、喫茶店でのおかしな行動、童話に隠された謎など、語られる謎は普段私たちが見逃してしまいそうな日常的な所から浮かび上がります。もちろんそれぞれが完結しており、この本だけ読んで続編を読まなくても全く構いません。しかし、次の作品も読みたくなると思います。わたしも、とりあえず一冊と思って買ったのですが、読み終わった時には続編が読みたくなってしまいました!

殺人事件などでなく、日常の中で起こる本当にふとしたことから推理が始まります。ロジカルな謎解きが新鮮です!

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夜の蝉

北村薫 著 / 創元推理文庫 / 4.0 / *

あらすじ

女子大生「私」の日常に潜む謎を解き明かす、シリーズ第2作目。

「夜の蝉」の感想

「円紫さんと私」の第二作目。表題作は日本推理作家協会賞を受賞。これも、第一作に続いて推理ものの短編集です。書店での悪戯、友人の3題話、姉の恋...、一つひとつが第一作目よりも少し長めになって、じっくり読ませます。主人公の「私」が少し成長していたりと、続き物として読む楽しみもあります。円紫師匠の謎解きも健在です。

「私」とお姉さんの確執というか遣り取りが、見せ場です。シンプルな謎解きはもちろん、今回は胸がジンとするお話になっています!

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秋の花

北村薫 著 / 創元推理文庫 / 3.5 / *

あらすじ

幼馴染の真理子と利恵を待ち受ける過酷な運命。真理子の死の核心に、二人の先輩である「私」が迫る。

「秋の花」の感想

「円紫さんと私」の第三作目。本作は、長編になりました。短編の方が、このシリーズは絶対生きてくると思うので、心の底から残念です。そしてついに...、本作では人が死んでしまいました。さすがに、いつものような爽やかな読後感にはなりませんでした...。

推理やミステリーで人が死ぬというのは、「よくあること」でした。それを、なんだかショックなどと思うのは、推理小説に対して少し変な感傷ですよね。しかしこの作品では、死んでしまった人が戻らない、やり直しがきかないという重さが伝わってきて、他のミステリとは違う感じがするのです。

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六の宮の姫君

北村薫 著 / 創元推理文庫 / 3.0 / *

あらすじ

最終学年を迎えた「私」は、卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げていく。作品「六の宮の姫君」に秘められた謎とは。

「六の宮の姫君」の感想

「円紫さんと私」シリーズと呼ばれるものの第四作目。のはずなのですが...。ナゼお金を払って、北村薫の「小説」ではなく「卒論」を読まなければならないのでしょうか。自己満足に一般読者を引きずりこむというのは、全く許せない悪行です。真剣に、「金返せ」!

最後まで読みきったのは、きっと最後はいつもの円紫さんシリーズに戻ってくれると信じていたからです...。でも、最後まで卒論でした。文系の卒論ってこういう物なんだよって事が分かりました(?)。

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朝霧

北村薫 著 / 創元推理文庫 / 3.5 / *

あらすじ

卒論を書き上げ巣立ちの時を迎えた「私」は、社会人生活のスタートを切る。

「朝霧」の感想

「円紫さんと私」シリーズの第五作目。円紫さんの謎解きと、優しい視点での物語りの流れが、やっぱり好きだな、と思いました。「六の宮の姫君」でガクっと来てしまいましたが、今回は本来の円紫さんシリーズの味です。

最初の中篇の冒頭は、伏線というよりは「六の宮の姫君で披露した卒論の不完全部分の個人的フォロー」めいた色合いを感じる部分があり、またしても!?とおおいに危ぶみました...。しかし、ラストへ向かううちに見えてくる真実と、息の白さ、雪の透明感に救われました。まぁ、2作連続卒論では、読者も怒ります。

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スキップ

北村薫 著 / 新潮文庫 / 3.5 / *

あらすじ

17歳の一ノ瀬真理子は、夕方レコードをかけてまどろんだ。目覚めたのは、桜木真理子42歳。私は一体どうなってしまったのか。

「スキップ」の感想

「時と人」の三部作の一作目。本三部作は、1作目の「スキップ」と2作目の「ターン」が直木賞候補に挙げられるなど、好評を博したシリーズです。他の北村薫作品と比べると、ミステリファンやSFファンの方よりも、一般的な小説をお好みの方向けという感じ。個人的には、3作中で本作が一番好みの作品です。それでも、ヒロイン・真理子の前向きさがあまりにも超人的過ぎたのか、あまり感情移入できなませんでした...。

さて、次作「ターン」は、ケン・グリムウッドの傑作「リプレイ」を彷彿とさせる作品。どちらを先に読む?

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ターン

北村薫 著 / 新潮文庫 / 3.0 / *

あらすじ

ダンプとの衝突した真希は、気づくと自宅の座椅子の上にいた。いつもどおりの家と外。しかし、その世界には真希のほか誰もいない上、定刻には一日前の座椅子に戻ってしまう。

「ターン」の感想

「時と人」の三部作の2作目です。K.グリムウッドの「リプレイ」と非常に似ています。こんなに似ていて良いのだろうか、と思うほどです。「リプレイ」を先に読めば、本作には必ず「不満」あるいは「物足りなさ」を感じるのではないでしょうか。もし、「リプレイ」よりも先に「ターン」が出版されていて、「ターン」を先に読んでいたとしたら。...それでも恐らく、「リプレイ」の方面白いと思うのではないでしょうか。

「ターン」では、「昨日」「今日」が向き合ってしまった時に、前提となっていた「くるりん」の世界が破綻しているように思える点が、致命的な欠陥となっています。「電話」についても、やはり問題を感じます(呆れて、言葉もありませんけど)。あまりに出来すぎた偶然にも大きく気が削がれますし...。SFとしては、問題が多すぎる気がします。その上、本作で描かれる「孤独」はあまりに軽過ぎて、浅いのです...。

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リセット

北村薫 著 / 新潮文庫 / 3.0 / *

あらすじ

「また、会えたね」昭和二十年五月、神戸。疎開を前に夢中で訪ねたわたしを、あの人は黄金色の入り日の中で、穏やかに見つめてこう言いました。

「リセット」の感想

「時と人の三部作」の第三作目。前二作とはかなり雰囲気が変わって、冒頭からいきなり時代ものの雰囲気。この第一部で語られる、戦前から戦中にかけての少女の日常の描写はとても丁寧で良かったです。北村さんは、こういう風に日常の心境と情景を書くと、独特のやさしい視線が生きて、非常に魅力的。第一部を読んだ時点では、時代と人の物語を丁寧に書いて三部作を締めくくるのかなぁ(その方がこれまでのなんちゃってSFよりいいなぁ)、なんて思いましたが...。

後半、これまでの2作よりもさらにファンタジック且つありがちな「時の使い方」でエンディングへと向かいます。なんて、世界観のないファンタジーでしょう。もっと素晴らしい時代物の小説はたくさんあるし、もっと素晴らしいファンタジーもたくさんある。その中で、本作品はあまりにも中途半端な印象を受けました。

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