桐野夏生

桐野夏生

きりのなつお

金沢生まれ。成蹊大学法学部卒。「顔に降りかかる雨」で江戸川乱歩賞。「柔らかな頬」で直木賞。「グロテスク」で泉鏡花賞。「残虐記」で柴田錬三郎賞。「魂萌え!」で婦人公論文芸賞を受賞。

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オフィシャルサイト

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感想一覧

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顔に降りかかる雨

桐野夏生 著 / 講談社文庫 / 3.5 / *

あらすじ

親友の耀子が一億円と共に消えた。疑いをかけられた私(村野ミロ)は、耀子の彼である成瀬と共に耀子の消息を追うが...。

「顔に降りかかる雨」の感想

江戸川乱歩賞受賞作。色々な複線張っておいたにも関わらず、その回収の仕方が雑で残念でした。しかしこれが、乱歩賞とは...。そもそも、大どんでん返しを意図したにしてはあまりに切れが悪いように思いました...。いつ、どのようにひっくり返るのが明らか過ぎて、面白みが全く無かった事も興醒めでした。唯一楽しめたのは、成瀬という男性登場人物がなかなか魅力的に描かれていて、彼に心惹かれた事だけです...。

この作品のヒロイン、村野ミロのシリーズには、まだ続きがあるようです。本作品が、江戸川乱歩賞に輝くほどのミステリーなのかどうかには疑問を感じますが、一応続きも読んでみたいと思います。しかし、乱歩賞の作品を読んでこの程度の軽い気持ちで感想を書くのは初めての事です...。

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天使に見捨てられた夜

桐野夏生 著 / 講談社文庫 / 3.5 / *

あらすじ

失踪したAV女優の捜索依頼を受けた、村野ミロ。リナの捜索が進むと共に、明らかになっていったのは?

「天使に見捨てられた夜」の感想

前作、「顔に降りかかる雨」よりは、ラストまですんなり読めました。とは言え、最後まで読み終えた今でも、納得いかない部分が多々あるのですが、まぁご愛嬌ということでしょう...。

結局のところ、一番印象に残ってるのは主人公・村野ミロの惚れっぽさ。そして彼女が毎度惹かれる男たち。彼らがいつもなかなか魅力的に描かれていて、つい読まされてしまいました。この著者の小説は、この程度のミーハーな動機でも無ければ私には読む気が起きません。ただ、男性が読むとどうなのでしょうか...。面白がるべき部分がどこにも無いのではないのかと思うと、多少心配です。

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ローズガーデン

桐野夏生 著 / 講談社文庫 / 2.5 / *

あらすじ

博夫はミロから逃げようとして、むしろ深く嵌まり込んでいく自分を感じていた...。濃密なミロの世界を描く短編集。

「ローズガーデン」の感想

ミロシリーズの3作目(番外編「水の眠り 灰の夢」を除く)。特筆すべきは、ミロに罰を与える為に死んだと「顔に降りかかる雨」で語られた、亡夫の博夫が登場した事でしょうか。彼は「顔に降りかかる雨」で、変化を嫌い、自己実現しようとするミロの変化を受け入れられなかった男として描かれていました。しかし、本作品で読むと、彼は「ミロの変化をも愛していた」ように見えました。まるで別人! それにしてもこの冒頭の短編には、参りました...(うんざり)。

正直言って、謎もそのアプローチも、何もかもが思い返す価値もありません。ミロという人間の内面と過去を描くための一冊だったのでしょうけれど、別に読む価値も感じないような謎解きやら探偵ごっこに絡めて読まされるのは心底苦痛でした。

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ダーク (上・下) 」

桐野夏生 著 / 講談社文庫 / 3.5 / *

あらすじ

「私の中の何かが死んだ」出所を心待ちにしていた男が四年前に獄中自殺していた。何も知らされなかったミロは探偵を辞め、事実を秘匿していた義父を殺しに行く。

「ダーク」の感想

ミロシリーズの4作目。前作「ローズガーデン」で別人のように変貌を遂げたミロが、更なる非人間性を前・後編に渡って披露しました。自分の欲求のためには他人の生死さえ厭わないその脅威の人格と行動に、説得力を持たせる描写は作中のどこにも見当たりません...。ごく一時的な怒りや喪失感、そして愛情がそうさせると考えるには、あまりに異常過ぎると思わずにはいられません。ミロの中の闇が発散されているだけであって、全てはミロの過去がそうさせるなどと説明したとしたら文学的なのかもしれませんが、とても読者を納得させるだけの描写がされていたとは思えませんでした。これがシリーズ物でなければ、ここまで疑問ばかり感じないと思うのですが...。

作品後半で重要な人物となる徐という男の過去を描いたくだりは、まるで山崎豊子を彷彿とさせるような書きぶりで、本作中で完全に浮いていました。朝鮮半島の光州蜂起前後の描写のようですが、私にはこのあたりの事に関する知識が無いので内容自体には何も言うべき事がありません。しかし、どこかの冊子から取ってつけでもしたかのようなこの部分は、本作にどれほど必要な描写だったのでしょうか...? どこかミーハーな書きぶりだった著者が脱皮を図っている、という感じがします。

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OUT (上・下) 」

桐野夏生 著 / 講談社文庫 / 3.5 / *

あらすじ

弁当工場で働く主婦たちが、ある事件をきっかけに犯罪に手を染める。予想外の恐怖が主婦たちを襲う。

「OUT」の感想

あんまり読んだことのないタイプの犯罪小説でした。主婦が結束を固めて夫の死体を処理する姿は恐ろしい。そして、それを犯すのが主婦であるために、出口が見えない暗さも漂っている!

読み進む印象は悪くなかったのですが、全く理解に苦しむラストでした...。この著者は、話を終盤へ持っていくまではそれほど悪くないのですが、ラストがいつも今ひとつな気がします...。単に好みじゃないだけかもしれませんが。

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<追加した書評>
【ダーク /講談社文庫】
−あらすじ−
「私の中の何かが死んだ」出所を心待ちにしていた男が四年前に獄中自殺していた。何も知らされなかったミロは探偵を辞め、事実を秘匿していた義父を殺しに行く。

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