倉橋由美子

倉橋由美子

くらはしゆみこ

高知県生まれ。日本女子衛生短期大学別科卒業後、明治大学文学部フランス文学科に入学、卒業。「パルタイ」で女流文学賞受賞。

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「 大人のための残酷童話 」

倉橋由美子 著 / 新潮文庫 / 3.5 / *

あらすじ

おとぎ話にあるのは、因果応報、勧善懲悪、自業自得の原理が支配する残酷さ。ギリシア神話やアンデルセン童話、グリム童話、日本昔話などの、世界の名作童話の背後にひそむ人間のむきだしの悪意、邪悪な心、淫猥な欲望をえぐり出す。

「大人のための残酷童話」の感想

子供には読んで欲しくない、恐ろしい童話集でした...、本当に。本来童話は残酷なものだなどという話は良く聞きますが、今子供にはちょっと...と思う人たちが多かったからこそ、いくつかの残酷なシーンなどが削られ、現代の童話が出来上がったのでしょうね。子供は、現実を知るために童話を読んでいるのでは無いのだと私は思いますし、童話はそれで良いのだと思います。この本は、ちょっと、ショックでした。あぁ、人魚姫ー! 白雪姫ー!

大人が読んで、「こんな現実を映す鏡でもあったんだな」と思うような、倉橋流の味付けがしてある童話です。一寸法師、猿蟹合戦、かぐや姫などがその題材なので、非常に分かり易いと思います。「大人のための」と銘打った童話集が、こんな残酷な(と言うか、毒毒しい)物語ばかりになってしまうのが、興味深くもあるけれど悲しいです。恐れを知らぬ子供こそが真に残酷な存在であるという事を描いた小説も、世の中には溢れているのですが...。大人だからこそ癒される、そんな物語こそが、大人のための童話であって欲しいと思うのです。

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