乃南アサ

乃南アサ

のなみあさ

東京都生まれ。早稲田大学中退。「幸福な朝食」で日本推理サスペンス大賞優秀作。「凍える牙」で直木賞を受賞。

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感想一覧

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幸福な朝食

乃南アサ 著 / 新潮文庫 / 3.5 / *

あらすじ

女優を目指して上京した少女は、運命の悪戯に全ての夢を打ち砕かれ、孤独のうちに歳月を過ごしてきた。だがその男との出会いを境に、心の底に凍てついた狂気がゆっくりと溶け始める。

「幸福な朝食」の感想

日本推理サスペンス大賞優秀作。これまでに数作の乃南アサ著の作品を読みましたが、本作は著者にしては上出来の作品だと思います。本作を読んで、「まだ未完成だけど、いずれ面白い作品を書きそうな気がするな」と思えました。しかし、後数作は読めば読むほどレベルが下がるばかりで、感想を書き留めて置く価値さえ感じない作品が増えるばかりです。

夢に破れ、他者に依存してしか精神的な安定を得られず、後ろ向きに生きるヒロイン像が丁寧に描かれていて面白いと思いました。こういう人間は嫌いですし、何故このように生きねばならないかも理解不能ですし、ストーリーに説得力は無いのですが、処女作だと思えば面白い可能性を感じる作品です。

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6月19日の花嫁

乃南アサ 著 / 新潮文庫 / 3.5 / *

あらすじ

わたしは誰―?6月12日の交通事故で記憶を失った千尋。思い出したのは、一週間後の19日が自分の結婚式ということだけだ。相手は一体、誰なのか。"自分探し"を始めた千尋の前に、次々と明かされる予想外の事実。

「6月19日の花嫁」の感想

ロマンティック・サスペンスらしいのですが...。ここに、ロマンティックなんて恐ろしい文句が躍っている事から作品の内容を推して考えるべきだったと、読み終えた今になって思っています。サスペンスと言うような緊迫感もなく、先が見え見えの展開にアクビでも出そうな状態でした。「幸福な朝食」の、未完成ながら丁寧で、努力を感じさせたあの著者はいずこへ消えてしまったのでしょうか。

展開が丸分かりな上、大変低レベルで漫画並み。そして、本作の最後の一行となったヒロインのセリフなどは、脱力ものです。そんな事言ってる場合かよ...、とつっ込みの一つも入れてあげたいほど。ガッカリさせられました。

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五年目の魔女

乃南アサ 著 / 新潮文庫 / 3.5 / *

あらすじ

三回鳴ってから切れる電話は、五年前私を陥れた魔女の復活の合図なのか? 忌まわしい過去に決着をつけようと動き出した景子の周りに、あの女の影が現れては消える。

「五年目の魔女」の感想

魔性の女(どのあたりが魔性なのかは疑問の余地あり)である貴世美と、その友人であった景子の物語ですが、感想をひと言で書くのは非常に難しい作品でした...。終盤に明かされる「景子の衝撃の行動」には、その展開の意外性と言うよりも、行動理由に説得力もリアリティも無さ過ぎる事にむしろ驚きました。そして、この事実を知った後は、貴世美の行動に対して「何故」と繰り返し疑問を発していた景子に対して、強い疑問を感じました。

女性の心の闇というよりも、著者の作品に手を変え品を変え描かれて来た、「心の分裂・多面性」を描こうとしたようにも思えます。

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凍える牙

乃南アサ 著 / 新潮文庫 / 3.5 / *

あらすじ

深夜のファミリーレストランで突如、男の身体が炎上した! 遺体には獣の咬傷が残されており、警視庁機動捜査隊の音道貴子は相棒の中年刑事・滝沢と捜査にあたる。やがて、同じ獣による咬殺事件が続発する。

「凍える牙」の感想

直木賞受賞作。突然の、男の身体の炎上...。まるで、宮部みゆきの「クロス・ファイア」を思わせるオープニングでした。そして、同じく宮部みゆきの「パーフェクト・ブルー」を彷彿とさせる「訓練された犬」の存在...。男尊女卑社会の中で生きる、働く女性の描写は篠田 節子の「女たちのジハード」。各作品を上手に混ぜて作ったと言う意味では立派な「パズラー」(組立屋)ですが、私が望む「パズラー」(本格ミステリ・推理)とは大きく異なる作品でした。

ミステリと言うよりは、男尊女卑の社会に対する音道貴子の戦いの部分に重みが置かれています。職場の男尊女卑描写については、私自身が職場で初の女性だったので共感する部分も多く、嫌いではありません。しかし、本作を動かして行く犯罪と、クライマックスとなる「犬」との対決シーンは、爽快感のみの陳腐な展開でした。著者の作品の中では面白い方だと思いましたが、果たして直木賞に値する作品なのだったのかどうか、非常に疑問を感じます。

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<追加した書評>
【凍える牙 /新潮文庫】
−あらすじ−
深夜のファミリーレストランで突如、男の身体が炎上した! 遺体には獣の咬傷が残されており、警視庁機動捜査隊の音道貴子は相棒の中年刑事・滝沢と捜査にあたる。やがて、同じ獣による咬殺事件が続発する。

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