野沢尚

野沢尚

のざわひさし

愛知県生まれ。日本大学芸術学部卒。テレビドラマの脚本家として活躍。「恋人よ」「眠れる森」など、脚本多数。小説家としては、「破線のマリス」で江戸川乱歩賞。「恋愛時代」で島清恋愛文学賞。「深紅」で吉川英治文学新人賞を受賞。

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感想一覧

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破線のマリス

野沢尚 著 / 講談社文庫 / 3.5 / *

あらすじ

首都テレビ報道局のニュース番組で映像編集を担う遠藤瑶子は、虚実の狭間を縫うモンタージュを駆使し、刺激的な画面を創りだす。彼女を待ち受けていたのは、自ら仕掛けた視覚の罠だった!?

「破線のマリス」の感想

江戸川乱歩賞受賞。超一級の「フー&ホワイダニット」と言う宣伝文句が、私に期待をさせ過ぎたのかもしれませんが、ミステリとして大した完成度の作品ではありませんでした。確かに、テレビやニュースと言うような報道の世界の描写はエンターテイメントとして面白く読めましたし、報道の恐ろしさを示唆するような本作の内容は、乱歩賞が度々選考でポイントの一つとして来た「社会性」を感じさせます。しかし、ミステリとして重要な整合性はいかがなものでしょうか。ご都合主義的な展開にも、納得できません。

ミステリを好む人より、サスペンスやエンターテイメントを好む人が読むべき作品だと思います。しかし、サスペンスやエンターテイメントという分野においても、本作が良作であるとは思えませんが。

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* 書影の著作権は各出版社にあります

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深紅

野沢尚 著 / 講談社文庫 / 3.5 / *

あらすじ

父と母、幼い二人の弟の遺体は顔を砕かれていた。秋葉家を襲った一家惨殺事件。修学旅行でひとり生き残った奏子は、癒しがたい傷を負ったまま大学生に成長する。

「深紅」の感想

吉川英治文学新人賞受賞作。第一章において、秋葉家を襲った一家惨殺事件を生き残った奏子の視点で描かれています。この事件が、本作品の中心である「被害者遺族の奏子と加害者遺族の未歩」の背景となるわけですが、第一章の描写は緊迫感、孤独感に満ちた素晴らしい出来です。しかし一生の終盤、住職の住居の厨房を奏子が覗き見るあたりから、ドラマ的で薄っぺらな「あらかじめ用意されていた偶然」が臭い始めます。

後半はこの物語のメインである、奏子と未歩の関係が綴られます。当然これこそが、「著者の書きたかったもの」なのでしょう。しかし、二人の会話も心情もその結末も、迫真のドラマを思わせた第一章は何だったのかと思わせるような浅はかなものでした。本作の意図は「大変興味深い」にも関わらず、読後どこか浅薄な印象になってしまったのには、作品全体のバランスの欠如と作者の力不足が思われました。

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<追加した書評>
【破線のマリス /講談社文庫】
−あらすじ−
首都テレビ報道局のニュース番組で映像編集を担う遠藤瑶子は、虚実の狭間を縫うモンタージュを駆使し、刺激的な画面を創りだす。彼女を待ち受けていたのは、自ら仕掛けた視覚の罠だった!?

【深紅 /講談社文庫】
−あらすじ−
父と母、幼い二人の弟の遺体は顔を砕かれていた。秋葉家を襲った一家惨殺事件。修学旅行でひとり生き残った奏子は、癒しがたい傷を負ったまま大学生に成長する。

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