大岡昇平

大岡昇平

おおおかしょうへい

東京生まれ。京都帝国大学文学科卒。「俘虜記」で横光利一賞。

spacer

ファンサイト

spacer
spacer

「 野火 」

大岡昇平 著 / 新潮文庫 / 4.0 / *

あらすじ

敗北濃厚なフィリピン戦線で結核に冒され、わずか数本の芋を渡されて追放された田村一等兵。野火の燃え広がる原野を彷徨う田村は、極度の飢えに襲われる...。

「野火」の感想

恐ろしい本です。戦時中の事実を並べたてただけでも、戦争の悲惨さは分かること。この小説の凄さは、そんなところにあるのではありません。本作品の凄さは、「戦争で追い詰められた人間の精神」の描写にあります...。それは、読んでしばらくたっても、恐ろしくてもう一度手に取ることが出来ない程なのです。

追い詰められた人間の狂気なのか、幻想なのか、あるいは真実なのか、それは分かりません。けれどそれが、追い詰められた田村のこころを、深く、深く覗き込んだかのように生々しく感じられます...。淡々と読み進んでいたはずなのに何時の間にかのめりこんでいました。直接的な描写の恐ろしさよりも、その精神の描写に酔い、食欲がなくなる始末。食事前には読まない方がいいかもしない...。

他のサイトでも感想を見る or 購入する

* 書影の著作権は各出版社にあります

spacer

▲ Top of this Novelist

▲ Back to Index of Novelists