真保裕一

真保裕一

しんぽゆういち

東京都生まれ。千葉県立国府台高校卒。「連鎖」で江戸川乱歩賞を授賞。「ホワイトアウト」で吉川英治文学新人賞。「奪取」で日本推理作家協会賞、山本周五郎賞受賞。

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感想一覧

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ホワイトアウト

真保裕一 著 / 新潮文庫 / 3.5 / *

あらすじ

日本最大の貯水量を誇るダムが、武装グループに占拠された。職員、ふもとの住民を人質に、要求は50億円。残された時間は24時間! 荒れ狂う吹雪の中、ひとりの男が敢然と立ち上がる。

「ホワイトアウト」の感想

吉川英治文学新人賞受賞。特筆すべきは、やはり雪山の描写。雪を進む状況の緊迫感が伝わり、「なんでこれで死なないの?」と疑問に思うような描写です(←小説だから、死なないわけですね)。ラストまで、息切れせずに良く書かれた、良い作品だと思います。とにかく雪山の印象の強い作品で、「奪取」などとは毛色が違う作品になっています。雪山冒険小説、としか説明しようが無い作品です

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奪取 (上、下) 」

真保裕一 著 / 講談社文庫 / 4.5 / *

あらすじ

友人の雅人の借金を返すため、大胆な偽札作りを2人で実行しようとする道郎・22歳。パソコンや機械に詳しい彼ならではのアイデアで、大金入手まであと一歩と迫ったが…。

「奪取」の感想

日本推理作家協会賞、山本周五郎賞受賞作。非常にスピード感のある面白い作品で、一気に読まされてしまいました! 厚さは全く気になりません。山本周五郎賞受賞作とは言え、なかなか読みやすいエンターテイメント作品です。

「偽札作り」の手作業も襲撃も取引も、少しのミスも許されない緊迫感に満ちているだけでなく、登場人物(特に「じいさん」)のキャラも光っています。ちょっと「これでいいのかね」と思ってしまうラストではありますが、きっとこれで良いのでしょう...。久しぶりに夢中で読めた、傑作です。

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奇跡の人

真保裕一 著 / 新潮文庫 / 3.0 / *

あらすじ

31歳の相馬克己は、交通事故で一度は脳死判定をされかかりながら命をとりとめ、他の入院患者から「奇跡の人」と呼ばれている。しかし彼は、事故以前の記憶を全く失っていた。

「奇跡の人」の感想

「奇跡の人」と呼ばれている男が、8年の入院の末に記憶の失われている過去の自分を探すと言う「自分探し小説」です。背表紙には「自分探しミステリー」と書いてありましたが、ミステリという感じはありませんでした。それほど勿体つけなくとも良いのではないかと思えるほど、大体予想通りの「真実」でした。むしろ、それを知った主人公の行動などを掘り下げて欲しいと思って読み進んでいたのですが、多少拍子抜けのエンディングとなっていました。一人の登場人物の語りでほぼ全ての「謎解き」をしてしまう物語終盤のまとめ方、そしてどこかで見た結末は、他のミステリ小説で読んだ記憶がある構成になっていましたので、そういう意味では「とてもミステリっぽい」と言えますが...。

前半はなかなか面白く読んでいたのですが、後半は身体的不自由を気遣ってくれる人の心を無視した主人公の行動や、精神的な逆行を言い訳にしても耐え難い無神経さが鼻につき、感情移入するのが難しくなって行きます。著者の文章が巧みなので、確かにスイスイと読めてしまうのですが、内容には満足できませんでした。

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ストロボ

真保裕一 著 / 新潮文庫 / 4.0 / *

あらすじ

走った。ひたすらに走りつづけた。いつしか写真家としてのキャリアと名声を手にしていた。愛した女性カメラマンを失った40代。先輩たちと腕を競った30代。病床の少女の撮影で成長を遂げた20代。そしてあの日...。

「ストロボ」の感想

これは、本当に上手いです! 作りすぎと思われるほど作りこんだ構成の中に、ストレートな内容を収め、読ませます。嘆息しました...。ミステリ作家らしい構成力と、表現力を生かした、新しい作品だと思います。

一番の特徴は、第五章から始まり、第一章で終わる珍しいタイプの小説であるという事です。そもそも目次を見て、「なんだこりゃ?」と思いましたし、読んでいても最初は戸惑いましたが、終わってみればこれがまた良いのです。この構成があってこそ、「書いていないことまで読めて来る」のです! ちなみに、なぜこの構成を選んだのかが、あとがきに書いてあります。絶対に絶対に、先にあとがきを読んではいけない一作です。

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<追加した書評>
【奇跡の人 /新潮文庫】
−あらすじ−
31歳の相馬克己は、交通事故で一度は脳死判定をされかかりながら命をとりとめ、他の入院患者から「奇跡の人」と呼ばれている。しかし彼は、事故以前の記憶を全く失っていた。

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