多岐川恭

多岐川恭

たきがわきょう

福岡県生まれ。東京帝国大学経済学部卒。白家太郎の筆名にて、処女作は「みかん山」。「氷柱」刊行より、筆名を多岐川恭とした。同年、「濡れた心」で江戸川乱歩賞。「落ちる」で直木賞を受賞。

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落ちる

多岐川恭 著 / 創元推理文庫 / 4.0 / *

あらすじ

自己破産衝動に駆られる危うい精神状態の男の物語「落ちる」、万年平行員のささやかな逆襲「ある脅迫」、完全犯罪かと思われた事件の皮肉な露見「笑う男」など、初期の秀作10編を収録。

「落ちる」の感想

直木賞受賞作「落ちる」を含む短編集。乱歩賞受賞作家が直木賞を受賞した、最初の例だったのではないでしょうか。「落ちる」も含め、本作品集の前半に所収の作品は特にシンプルなショートミステリが多いと思います。かと言って、あまりガチガチのミステリでもなく、その短さの中で人物などが上手く描かれ、小説としても雰囲気のある作風に好感が持てました。秀作揃いで、飽きさせません。

驚きの結末が魅力の作品ばかりではありませんが、例えばそういうアッと驚くラストだけを楽しみたいならショートショート(超短編小説)で十分。本作は、短いけれど雰囲気のある、ミステリの香りがする小説を手軽に楽しめる短編集でした。

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