筒井康隆

筒井康隆

つついやすたか

大阪市生まれ。同志社大学卒。処女作品集は「東海道戦争」。「虚人たち」で泉鏡花文学賞。「夢の木坂分岐点」で谷崎潤一郎賞。「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞。「朝のガスパール」で日本SF大賞を受賞など。俳優の筒井道隆とは、血縁関係なし。

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感想一覧

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家族八景

筒井康隆 著 / 新潮文庫 / 4.5 / *

あらすじ

目の前の人の心をすべて読み取ってしまうお手伝いさん、七瀬。マイホームの虚偽、市民の猥雑な心の裏面が、七瀬の力で浮かび上がる。

「家族八景」の感想

七瀬シリーズの第一作。「お手伝いさん」なんて書くと、「家政婦は見た!」っぽいですが、当然全く別物。七瀬の覗き趣味は、死体をみつけるのではなくて、人の心の奥底を探り出します。

七瀬シリーズの中で最も面白い、この作品。七瀬が接触するの家族の「闇」の一つ一つが短編で語られていきますが、どれも秀作です。唸りたくなるほどの文章のうまさが、この七瀬の力を存分に生かしています。言葉の裏に隠した人間の醜さが、次々と明らかにされる姿にゾクゾク! 七瀬の力で精神を破壊されてしまう男の、その心を語らせてしまう筆致の凄まじさ! 素晴らしい作品。

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七瀬ふたたび

筒井康隆 著 / 新潮文庫 / 4.0 / *

あらすじ

旅に出た七瀬は、生まれて初めて、同じテレパシーの能力を持った子供ノリオと出会う。その後も次々と異なる超能力の持ち主にめぐり合う七瀬は、彼らと共に、超能力者抹殺をもくろむ組織と、死闘を展開する。

「七瀬ふたたび」の感想

七瀬シリーズの第二作。いつの間にやら、超美人!になった七瀬なのでした。第一作とは打って変わった雰囲気となりましたが、超能力者たちに出会って行く最初の数作の連作短編はやはり面白い! 七瀬たちが危機にさらされる最後の数作は、やめてーって感じ。

さて、最後まで読んで「.....こんな終わりとは」とショックを受けつつ解説に目をやると....。「ぎゃっ!」と目を背けたくなるような記述があるのです。この文庫本の解説を書いている平岡正明という男、タダ者ではありません。なぜか、本作の続編である「エディプスの恋人」の解説まで、本書の解説の中に書いていやがるのです! それも、「エディプスの恋人」のキーとなるような部分を書き散らしているではありませんか!! あー、くやしい。読んじまったよこの解説。この解説ばかりは、とりあえず読み飛ばすことをオススメしたいと思います。

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エディプスの恋人

筒井康隆 著 / 新潮文庫 / 4.0 / *

あらすじ

ある日、少年の頭上でボールが割れた。それが異常の始まりだった。強い「意志」の力によって守られた少年の謎を解明しようとした七瀬は、いつしか......。

「エディプスの恋人」の感想

七瀬シリーズの第三作。この本でシリーズは完結となります。またまた雰囲気も変わり、飽きさせません。今回は長編です。「七瀬ふたたび」のラストで「あーなった」はずの七瀬でしたが...、気にしないで下さい。読み始めて、あれれなんで?と思っても、読み進んで行って頂ければOKです。きちんと納得できるラストになっております。

これまで、選ばれた人間であるという自信に満ちていた七瀬でしたが、本当に選ばれた存在を知ることになります。ラストシーンへ向けて、...書きにくいですが、筒井流の遊びに満ちた意図を感じる構成となっております。そしてひどく悩ましい、ラストになっております。老人は、「そのかたたちは、すべて」 「あなた同様に」と言ったのですから...。

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ロートレック荘事件

筒井康隆 著 / 新潮文庫 / 4.0 / *

あらすじ

夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まった。ロートレックの作品に彩られ、優雅な数日間のバカンスが始まったかに見えたのだが、二発の銃声が惨劇の始まりを告げた。

「ロートレック荘事件」の感想

筒井康隆という文章の匠だからこそと思える、大胆かつ見事な叙述トリックのミステリでした。叙述トリックって、フェアかアンフェアかみたいな話に必ずなりますし、分かってしまうと結構クダラナイようにさえ思える作品もありますが、本作は面白いです。ちなみに、叙述トリックと書くこと自体が半分ネタバレと言う懸念もありますが、本作の「トリック」を見破れる方は、おそらく相当叙述トリックを読みなれている方に限られるのではないでしょうか。私はと言えば、読む前から「叙述トリックだ」と知っていたにも関わらず、完全に騙された口ですし...。

既に読者にとっては明らかな「事実」が犯人に明かされる最終章の、少し甘ったるい所などは、筒井康隆らしからぬ感じがしました。筒井康隆らしい言葉遊びとエゴイズムが、どこかで読んだ事のある「ミステリのラストシーンにありきたりな悲壮感」で取ってつけたように幕を引かれる不思議さ...。「ほら、ミステリってこういう物でしょ? 書いて見せてあげるよ」と言う、筒井康隆氏の笑い声が聞こえて来るようでした。

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<追加した書評>
【ロートレック荘事件 /新潮文庫】
−あらすじ−
夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まった。ロートレックの作品に彩られ、優雅な数日間のバカンスが始まったかに見えたのだが、二発の銃声が惨劇の始まりを告げた。

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