山田詠美

山田詠美

やまだえいみ

東京都に生まれる。明治大学文学部中退。処女作「ベッドタイムアイズ」で文藝賞。「風葬の教室」で平林たい子文学賞。「トラッシュ」で女流文学賞。「アニマル・ロジック」で泉鏡花文学賞。「A2Z」で読売文学賞。「ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー」で直木賞を受賞。

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感想一覧

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ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨

山田詠美 著 / 新潮文庫 / 3.5 / *

あらすじ

クラブ歌手キムと黒人兵スプーンの、狂おしい愛「ベッドタイムアイズ」。黒人ピアニストが奏でる愛と復讐の旋律「指の戯れ」。愛し始めた黒人中年の連れ子に翻弄される女の憎悪と慈愛「ジェシーの背骨」。

「ベッドタイムアイズ」の感想

「ベッドタイムアイズ」が文藝賞受賞作。大胆で性的な表現で話題となった作品ですが、それが山田詠美の全てではないし、彼女の文章の本当の魅力はそういった表現そのものではありません。彼女が濃密な人間関係と愛情を描こうとした時に、性的な関係が存在しただけ。

「ジェシーの背骨」は、後に「トラッシュ」で描かれるココとリック、そしてジェシーの出会いの頃の物語です。「トラッシュ」と比べると、酷く子供らしいのジェシーに驚きます!

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蝶々の纏足・風葬の教室

山田詠美 著 / 新潮文庫 / 4.0 / *

あらすじ

私の心を束縛する親友のえり子。彼女の支配から逃れるため、私は麦生を愛した「蝶々の纏足」。苛めをうける転校生の少女。少女は自分を辱めた同級生を、心の中でひとりずつ処刑し葬っていく「風葬の教室」。

「風葬の教室」の感想

平林たい子文学賞受賞作が「風葬の教室」「風葬の教室」「蝶々の纏足」も、早熟な少女を描いた作品です。

「蝶々の纏足」では、えり子と瞳美という二人の少女の病的な依存関係の描写が素晴らしく、最後まで読むともう、なんと言って良いのか分からなくなるほどです。男とか女とか、そういう性的なものを超えて、依存しあっていた二人の関係を描いた著者に脱帽です!

「風葬の教室」の方は、イジメを受ける少女を描いた作品。イジメをする周囲の子供たちよりも、一時に精神的に大人になっていく少女の変化の時が描かれており、その乗り越え方は何とも鮮やかです。

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ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー

山田詠美 著 / 新潮文庫 / 3.5 / *

あらすじ

初恋も、喧嘩別れも、死に別れも、旅立ちの日も、温かく心に甦らせる黒人音楽が響く傑作連作小説。

「ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー」の感想

直木賞受賞作。芥川賞と違って、直木賞は結構年齢が行っている方が受賞される事が多いですが、山田詠美さんの受賞は最年少受賞ランキングに入賞する若さでした。それも、黒人男性と女性との性的なものも多く含んだ恋愛を描くという、従来にない女性作家の登場でした。本作には、黒人男性と女性の愛情を描いた作品8編が収められています。

この本は、黒人男性との恋愛という意味でも山田詠美らしい本だと思います。しかし、その後の山田詠美は、もっといい!

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放課後の音符

山田詠美 著 / 新潮文庫 / 4.5 / *

あらすじ

大人でも子供でもない、どっちつかずのもどかしい時間。まだ、恋の匂いにも揺れる17歳の日々―。背伸びした恋。心の中で発酵してきた甘い感情。片思いのまま終ってしまった憧れ。

「放課後の音符」の感想

とても好きな本。文庫もハードカバーも買ってしまいました。「大人でも子供でもない」とは良く聞く言葉ですが、あえてそう言うのがこの本には合っています。少女たちの中で「何か」が変わろうとしている瞬間の、戸惑いや好奇心、そしてその瞬間の鮮やかさが本当に見事に描かれている名作です!

子供っぽく泣きじゃくっていた少女たちが、蝶に変わろうとする瞬間を紙に美しく書きとめたという感じが素晴らしい。そして焦るばかりではなく、大人に変わっていく自分を「待つ」時間を持つのも、贅沢な放課後の使い方だという事も描かれています。大人でないと楽しめないこともありますが、大人になってしまうのはもったいないくらい、中学生や高校生の時間って貴重だと思います。

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チューイングガム

山田詠美 著 / 新潮文庫 / 3.5 / *

あらすじ

魅惑の島バリを背景に展開する濃密な性愛と豊潤な感覚。

「チューイングガム」の感想

ココとルーファスの二人が出会い、結婚する話。一つの結婚の形を山田詠美が描きます。あまりに幸福で満ち足りた結婚。そこに、学生時代の私は「こんなんあるかよ」と思いました。周囲に、幸福な結婚がそうあるように思えなかったからです。著者の本としても、違和感を感じました。あまりに「幸福」な人間関係を描いているからです。

しかし今では、もっと素直に読めます。大切で、失いたくなくて、尊重し合える関係の素晴らしさを知っているし、幸福を描けるから苦しみも描けるように思えて来ました。そんな、幸福な結婚の物語。

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トラッシュ

山田詠美 著 / 文春文庫 / 5.0 / *

あらすじ

人を愛した記憶はゴミのようには捨てられない。黒人の男「リック」を愛した「ココ」。愛が真実だったとしたら、なぜ二人は傷つき別れなければならなかったのか。

「トラッシュ」の感想

女流文学賞受賞作。文句なしの、傑作でした。恋愛小説って、似たり寄ったりのものが星の数ほどあると思いますが、これほどの恋愛小説はめったに出会えるものではありません。これまで読んだ山田詠美の作品の中で、間違いなく「No.1」です。

心を燃やして恋愛をする熱さや、それを失った空虚さだけでなく、嫉妬や憎悪そして癒し、友情や家族など、描かれている感情は数え切れません。そしてそれらの感情は、ただバラバラに存在しているものではなく、その恋愛を深く掘り下げて行く想いの数々なのです。これほどの内容を書いて、散漫することなく集中していく物語を書ける作家はそういないでしょう!

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