山崎豊子

山崎豊子

やまさきとよこ

大阪生まれ。京都女子大卒。「花のれん」で直木賞。「大地の子」で文藝春秋読者賞を受賞。

spacer

感想一覧

spacer
spacer

花のれん

山崎豊子 著 / 新潮社文庫 / 4.0 / *

あらすじ

多加は夫を立ててよく働くが、夫は寄席道楽に耽って店を潰す。いっそ道楽を本業にという多加の勧めで場末の寄席を買った夫は、借財を残したまま妾宅で死亡する。多加のなりふりかまわぬ金儲けが始まった。

「花のれん」の感想

直木賞受賞作。社会派作品や戦争物で有名な著者の初期の作品です。吉本興業の創業者・吉本せいをモデルとして、商売に身を捧げた女性の生き方を描いています。女性ならではの感性を感じるような商売の運び方に感銘を受けると同時に、女性とは思えない大胆な経営判断にも舌を巻きます。しかし、その華々しい成功の影で置き去らざるを得なかった「女」としての生き方への感情が切なくもあります。

作品の感じは私の好きな宮尾登美子さんの「女の一芸物」に通じるものがあり、私好みな雰囲気。また、著者の初期の作品だけに、どこか爽やかな印象を持ちました。後期の著者に描かせたら、もっと経営のドロドロした部分が出てきたでしょうしね...。

他のサイトでも感想を見る or 購入する

* 書影の著作権は各出版社にあります

spacer

▲ Top of this Novelist

spacer

大地の子 (全4巻) 」

山崎豊子 著 / 文春文庫 / 4.0 / *

あらすじ

陸一心は敗戦直後に祖父と母を喪い、妹とは生き別れになった日本人戦争孤児である。日本人であるがゆえに、彼は文化大革命のリンチを受け、内蒙古の労働改造所に送られて、スパイの罪状で15年の刑を宣告された。

「大地の子」の感想

中国残留孤児を描いた、著者の作品の中でも特に著名な作品の一つです。文庫本で4冊という長さの作品であり、読むほどに重いテーマをズシリと感じますし、日本人として考えさせられる事も多い作品です。しかし、小説として起伏に富んだ物語になっており、一気に読みきる事も十分に可能な作品でしょう。本作に対して「涙の感動小説」というような宣伝文句も時折見かけますし、ドラマ的には「涙」もお門違いでは無いのかもしれませんが、この作品は非常に社会的な作品だと思います。

世界的なベストセラー「ワイルド・スワン」で衝撃的だった、「文化大革命」の描写から物語は始まります。本書での文化大革命の描写も凄まじいですが、正直言ってこの作品を読む上で「ワイルド・スワン」で得た中国と共産党の知識が大変助けになった気がします。本作を手に取る前に「ワイルド・スワン」を読むのは、結構オススメです。何と言ってもこの時代の中国は、凄すぎるので...。1972年の日中国交正常化以後、主人公・陸一心の周囲は大きく変化していきます。本書で描かれる、中国残留孤児としての主人公や妹の物語、「日本人の血」を持つがゆえに中国で技術者として努力する主人公が苦しむ姿は、戦争を知らない世代の私にも衝撃を与えます。また、「ワイルド・スワン」でも信じがたいような気持ちで読んだ「中国」という国そのものに対する描写を取っても、中国残留日本人孤児に対する描写を取っても、日本人が中国を舞台にして描いた小説として、本作ほどの作品は今後色々な意味で実現し難いでしょう。

他のサイトでも感想を見る or 購入する

* 書影の著作権は各出版社にあります

spacer
<追加した書評>
【大地の子 /文春文庫】
−あらすじ−
陸一心は敗戦直後に祖父と母を喪い、妹とは生き別れになった日本人戦争孤児である。日本人であるがゆえに、彼は文化大革命のリンチを受け、内蒙古の労働改造所に送られて、スパイの罪状で15年の刑を宣告された。

【花のれん /新潮文庫】
−あらすじ−
多加は夫を立ててよく働くが、夫は寄席道楽に耽って店を潰す。いっそ道楽を本業にという多加の勧めで場末の寄席を買った夫は、借財を残したまま妾宅で死亡する。多加のなりふりかまわぬ金儲けが始まった。

▲ Top of this Novelist

▲ Back to Index of Novelists