アガサ・クリスティー

アガサ・クリスティー

Agatha Christie

イギリスのデヴォン州トーキー生まれ。ミステリの女王として知られる、世界的に有名な作家。亡くなるまでに長編、短編、戯曲など、その作品群は100以上にのぼり、現在も全世界の読者に愛読されている。

クリスティーが生み出した名探偵ポアロは、世界的に有名である。

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感想一覧

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ポアロ登場

アガサ・クリスティー 著 / クリスティー文庫 / 3.5 / *

あらすじ

おしゃれで、潔癖で、自負心が強く、小柄な体格で、風変わりなベルギー人が"灰色の脳細胞"を駆使して、次々と難事件を解決する。ヘイスティングズとともに14の謎に挑む。

「ポアロ登場」の感想

短篇ポアロ。ポアロが、警察官だった頃の事件を回想する「チョコレートの箱」を始めとして、ポアロの初期の事件が収められたもの。語り手はヘイスティングズでポアロとの軽口も微笑ましく、クルクルと自身が動き回って推理する初期のポアロを見られるのも、なんとも嬉しい作品集です。

特に興味深いのは、短編ならではとも言える趣向の「狩人荘の怪事件」。安楽椅子探偵どころか、ポアロはインフルエンザでベッドに寝たまま...。ポアロの代わりに、ヘイスティングズが現場へ向かうのですが、ジャップ警部には「馬のない馬車」と言われる始末...。長編では読めないような作品でした。あとは、「首相誘拐事件」。24時間と15分以内に、首相を探し出すという趣向が新鮮でした。

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死人の鏡

アガサ・クリスティー 著 / クリスティー文庫 / 3.5 / *

あらすじ

謀略の犠牲になりかねないからと調査を頼まれたポアロは、依頼人の准男爵の邸へ向かった。が、待っていたのは密室の中での依頼人の死であった。手がかりは、書斎の割れた鏡にあった。

「死人の鏡」の感想

短篇ポアロ。表題作を含めて4編が収められています。英語の英題は「Murder in the Mews (=厩舎街の殺人)」なのに邦題は「死人の鏡」という不思議な本です...。「死人の鏡」「厩舎街の殺人」も、本作品集に収められているのですが、何故この題名?

表題作の「死人の鏡」は長めの作品で、長編のものに引けを取らないボリュームでした。少し切ないラストシーンが、なかなか良い感じです。短編の中では、「厩舎街の殺人」でしょう。ワトソン役のジャップ警部も良い味を出していましたが、やはりポアロが明らかにした真実に唸りました。短編ならではという感じがして、好きです。本作品集には、ラストシーンにどこか味のある作品ばかりが収められている気がします。

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黄色いアイリス

アガサ・クリスティー 著 / クリスティー文庫 / 3.5 / *

あらすじ

四年前に死んだ妻の追憶のための晩餐会に出席して欲しい。ある富豪から奇妙な依頼をされたポアロが赴いた場所では、昔とまったく同じ状況が繰り返され、テーブルには依頼人の義妹の死体が...。

「黄色いアイリス」の感想

短篇ポアロ。「杉の柩」以前の時期の、ポアロシリーズを主とした色々な作品を含む短編集。ポアロ物の短篇5作の他に、4作の短篇も収められています。その内訳は、「レガッタ・デーの事件」「ポリェンサ海岸の事件」がパーカー・パイン。「ミス・マープルの思い出話」は、題名どおりミス・マープル。「仄暗い鏡の中に」は、首を絞められる女性のを見た男を描いた幻想小説。ポアロ以外では特に、パーカー・パインが楽しめました(ミス・マープルは元々あまりスキじゃないので)。

ポアロ物では、表題作「黄色いアイリス」でのポアロの巧みな演出にやはりニヤリとさせられましたので、これが一番のお気に入り。また、「あなたの庭はどんな庭?」は、ミス・レモンがたくさん登場する珍しい作品だと思います。「二度目のゴング」は、短篇「死人の鏡」と似ている部分の多い作品。「死人の鏡」の終盤で明かされた切ない人物背景がなく、事件だけを取り出したようなシンプルな作品でした。

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ヘラクレスの冒険

アガサ・クリスティー 著 / クリスティー文庫 / 4.0 / *

あらすじ

引退を控えたポアロが、自らのクリスチャン・ネームであるエルキュール(=ヘラクレス)にかけて「12件の依頼を受けてやろう。しかも、その12件はギリシャ神話のヘラクレスの12の難業を参考にして選ばなければならない」と、難事件の数々に挑戦。

「ヘラクレスの冒険」の感想

短篇ポアロ。「ホロー荘の殺人」「満潮に乗って」の間の事件ですが、エルキュールがヘラクレスを意味することから「ヘラクレスの12の難業」にかけた「12の事件」の謎を解き明かして行くという凝った趣向の作品集です。

一冊に12もの短篇が収められているにも関わらず、それぞれが独立した面白さを持ったミステリ短編集になっています。クリスティーの短篇の上手さを再確認できる一冊です。「ビッグ4」から20年ぶりの再会となった、魅力衰えぬロサコフ伯爵夫人の登場も見逃せません。従僕のジョージも、珍しく大活躍(?)しています。

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愛の探偵たち

アガサ・クリスティー 著 / クリスティー文庫 / 3.5 / *

あらすじ

雪に閉ざされたゲストハウスに電話が入った。ロンドンで起きた殺人事件の関係で、警察が向かっていると言う。やがて刑事がやってきて...。マザー・グースの調べにのって起こる、連続殺人劇。

「愛の探偵たち」の感想

ポアロ物の短編「4階のフラット」「ジョニー・ウェイバリーの冒険」を含む短編集。他に、クリスティーの有名な戯曲「ねずみとり」の原作である「三匹の盲目のねずみ」や、ミス・マープル、クィン氏登場の作品なども収められています。これらの中で、ポアロびいきの私が本作品集の最良のものを挙げるならば、「4階のフラット」となります。(ちなみに、「ジョニー・ウェイバリーの冒険」には、懐かしのヘイスティングズも登場しています)

とは言え、本作品集のメインは、間違いなく「三匹の盲目のねずみ」。女史お得意の童謡(マザー・グース)殺人であり、戯曲「ねずみとり」は、演劇界で世界一のロングランを続けているという超有名な作品なのです。しかし、ポアロは出ていません。そして、ミステリとしての良し悪しと戯曲化後の良し悪しには、何の関係も無いものなのです。

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教会で死んだ男

アガサ・クリスティー 著 / クリスティー文庫 / 3.5 / *

あらすじ

舞踏会のさなかに刺殺された子爵と美貌の婚約者の変死、消え失せた機密書類の行方、忽然と消えた使用人の謎など、ポアロとヘイスティングズの名コンビが数々の難事件に挑戦する。

「教会で死んだ男」の感想

表題作のみミス・マープル。「洋裁店の人形」が怪奇もの。その他の11作のポアロもの、計13作の作品が収められた短編集です。

「潜水艦の設計図」は、「死人の鏡」所収の「謎の盗難事件」の下敷きになったと想像させる作品であり、「マーケット・ベイジングの怪事件」「死人の鏡」所収の「厩舎街の殺人」の下敷きになったと想像させる作品。そして、「ビッグ4」「ヘラクレスの冒険」所収の「ケルベロスの捕獲」に登場するポアロのマドンナ・ロサコフ伯爵夫人との出会いが描かれている「二重の手がかり」は、ポアロファンなら押さえておきたい小品でしょう。正直言ってこの時のロサコフ伯爵夫人をそれほど魅力的だとは思わないですし、ポアロもまだ落ちていない(笑)ようですが、またいずれ出会う予感を感じさせるラストシーンになっています。お気に入りの作品は、「スズメ蜂の巣」。派手な事件の起こらない、ごく短い作品ですが、その読後感は他の作品とは違う独特のものがありました。

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クリスマス・プディングの冒険

アガサ・クリスティー 著 / クリスティー文庫 / 3.5 / *

あらすじ

英国の楽しい古風なクリスマス。外国の王子がある女性によって由緒あるルビーを奪われたので、それを見つけ出して欲しいという。女性が潜む邸へと赴いたポアロは、探偵活動を開始する。

「クリスマス・プディングの冒険」の感想

「グリーンショウ氏の阿房宮」のみミス・マープル。他5編がポアロものの短編集です。「スペイン櫃の秘密」は短編集「黄色いアイリス」並びに短編集「マン島の黄金」所収の「バグダッドの大櫃の謎」を元に書かれたもの。少しボリュームアップしていますが、大筋は同じです。

表題作などは、「クリスマス」がモチーフだけに楽しい雰囲気もありますし、結構気楽に読んで楽しめる短編集でした。お気に入りの作品は、「夢」でしょうか。奇妙な金持ちの、奇妙な相談。彼は、ある「夢」を繰り返し見ると言うのですが...。それって、探偵に相談するような事? と読者に思わせておいて、やはり隠された「真実」が明らかになります。

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マン島の黄金

アガサ・クリスティー 著 / クリスティー文庫 / 4.0 / *

あらすじ

表題作であるマン島の観光客誘致のために書かれた宝探し懸賞小説や、クリスティー自身の謎の失踪事件の直前に書かれた小説、ポアロやクィンの謎解きミステリ、心理サスペンス、ホラー、ロマンスなど、バラエティに富んだ拾遺集。

「マン島の黄金」の感想

12作の短編が収められた短編集です。クリスティー文庫へのリニューアルに伴い、「白木蓮の花」「愛犬の死」の2作品が加えられました。本作品集の中でポアロ関連のものは、「クリスマスの冒険」「バグダッドの大櫃の謎」の2作品です。「クリスマスの冒険」「クリスマス・プディングの冒険」の元となった作品で、「バグダッドの大櫃の謎」は短編集「黄色いアイリス」所収のものと訳者違い。「クリスマス・プディングの冒険」所収の「スペイン櫃の秘密」の元になったものでもあります。そのため、ポアロ関連では特に目新しくも無い作品集と言えます。

本短編集は、ミステリを読みたい!と思って手に取った読者をがっかりさせる可能性がありますが、幻想小説や男女の三角関係を描いたものなど、人間関係を描いた短編集としては十分に楽しめると思います。特に期待していた作品集ではなかったのですが、私は大変面白く読むことができました。ちなみに表題作は、クリスティーが描いた懸賞小説という事で興味深い作品ですが、小説として読んでしまうと今ひとつです。しかし、現代のクリスティーファンが「参加したかったなぁ」と思いを馳せる事ができる貴重な作品なのかもしれません。

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そして誰もいなくなった

アガサ・クリスティー 著 / クリスティー文庫 / 4.5 / *

あらすじ

さまざまな職業、年齢、経歴の十人がU・N・オーエンと名乗る富豪からインディアン島に招待された。しかし、肝心の招待主は姿を見せず、客たちが立派な食卓についたとき、どこからともなく客たちの過去の犯罪を告発してゆく声が響いてきた。

「そして誰もいなくなった」の感想

あまりにも、有名なミステリ。アガサ・クリスティの最高傑作と言われる作品です。もちろん、その賞賛と知名度に相応しい、傑作でした。この本を初めて読んだ時の「衝撃」は、忘れられません...!

童謡に乗せて、一人、一人と殺されていく異常な状況と、その緊迫した状況の中に置かれた人々の、鬼気迫る描写が素晴らしいです。そして何より、このラスト! 何が欠けても、「そして誰もいなくなった」はこれほどの賛美に値する作品とはならなかったでしょう。ただのサスペンスでは終わらない。極上のミステリとしてこの作品を完成させたのは、クリスティの人間描写力です! 

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ねじれた家

アガサ・クリスティー 著 / クリスティー文庫 / 4.0 / *

あらすじ

ポアロは巨額の財産を持つ老婦人エミリイから命の危険を訴える手紙を受け取った。だが、それは付添婦に全財産を残すという遺言状を残して、彼女が死んだ二ヵ月後のことだった。

「ねじれた家」の感想

「そして誰もいなくなった」程ではありませんが、非常に印象的なクリスティーの一冊です。なんとも個性的な登場人物それぞれが、人々の会話の中で人物像をありありと浮かび上がらせて行く上手さは、クリスティならではと言ったところ! 

この作品を読んで、クイーンの「Yの悲劇」を思い出しました。「さまざまな事実は、明らかにただ一つのことを指している」というセリフ一つ取っても、そしてその「状況」を取って見ても、「Y」を彷彿とさせるのに、十分でした。だからこそ恐ろしく、本作はどのような「ラスト」を迎えるのかと、緊張しながら読んだ作品です。

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<追加した書評>
【マン島の黄金 /クリスティー文庫】
−あらすじ−
表題作であるマン島の観光客誘致のために書かれた宝探し懸賞小説や、クリスティー自身の謎の失踪事件の直前に書かれた小説、ポアロやクィンの謎解きミステリ、心理サスペンス、ホラー、ロマンスなど、バラエティに富んだ拾遺集。

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