ヘラクレスの12の難業

ヘラクレスの12の難業

短篇集「ヘラクレスの冒険」から、裏表紙の文章を抜粋します。

引退を控えたポアロが、自らのクリスチャン・ネームであるエルキュール(=ヘラクレス)にかけて『12件の依頼を受けてやろう。しかも、その12件は、ギリシャ神話のヘラクレスの12の難業を参考にしてえらばなければならない』と、難事件の数々に挑戦。

都会的で、垢抜けた口ひげ(?)の現代のヘラクレス、我らがエルキュール・ポアロが挑んだヘラクレスの難業とはそもそもどのようなものだったのか。

物語の本筋とはそれほど強い関係があるわけでもないのですが、ちょっと押さえておく事にしました。

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ヘラクレスの出自

父: ゼウス(全能の神)
母: アルクメネ(ペルセウスとアンドロメダの孫/人間)
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ヘラの陰謀とヘラクレスの罪

ゼウスの妻である嫉妬深いヘラは、ゼウスの浮気により生まれたヘラクレスを憎む。

ある時、ヘラの呪いにより発狂したヘラクレスは、自分の妻メガラとの間に生まれた三人の子供を敵と思い、焼き殺してしまう。また、妻メガラも驚きと悲しみのあまり、死んでしまう

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ヘラクレスの贖罪

妻子の死に罪を負うヘラクレスは、贖罪の旅に出た。そこで訪れた従兄で叔父(神話の世界はみな血縁)のエウリステウスは、罪を償うために十の難行を命じた。しかし、ヘラクレスの試練のうち2つは、人の助けを借りた・報酬が目当てだったなどとして認められず、結局ヘラクレスが乗り越えた難行は十二個。このため、十二の難行と言われている。

エウリステウスは並外れた力を持つヘラクレスを恐れ、あわよくばヘラクレスが難業で命を落とす事を望んでいた。

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十二の難業

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ネメアの獅子退治 (第一の事件:ネメアのライオン)

Target: 上半身が美女で、下半身が蛇の怪女・エキドナが生んだ大獅子。家畜を荒らし人を襲う。
Episode: 矢も、槍も棍棒も通じない大獅子だったが、ヘラクレスは素手で格闘した末に 首をへし折り、倒す。
⇒ 獅子は空に上げられ、獅子座になった。

<ポアロの事件>

ポアロの元に届いた、一通の依頼状。それは、行方不明のペギニーズ(愛称ライオン・ドッグ。ライオンのようなタテガミが特徴)について調査して欲しいというものだった。依頼主の邸には、犬の代わりに金銭を要求する郵便が届いていた。
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レルネ沼のヒドラ退治 (第二の事件:レルネーのヒドラ)

Target: 怪女・エキドナの息子。冥界の王ハデスの怒りに触れ、九頭の蛇頭を持つ、不死身の水蛇となった。(メデューサとは違う。混同していたのは私だけ?)
Episode: 落としてもまた生える不死身の蛇頭に苦戦し、甥のイオラオスの助けを借る事に。ヘラクレスが首を切ると、新しい首が生えないように、イオラオスが傷口を焼いた。又、真ん中の不死身の頭は土に埋め、巨大な岩で封じ込めた。
⇒ 蛇はうみへび座に。化けガニはかに座になった。

<ポアロの事件>

医師の周りに張りめぐらされた、悪意に満ちた「噂」。それは、切っても切っても生え変わるヒドラの首のように、きりの無い怪物だった。ポアロが目指すのは、その根元にある真実。
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アルカディアの鹿の捕獲 (第三の事件:アルカディアの鹿)

Target: 黄金の角と青銅の蹄を持った、美しい牡鹿。女神アルテミスの聖獣。
Episode: 女神の聖獣を傷つけるわけには行かず、生け捕りにしなくてはならない試練。しかし、非常に速く駆ける鹿であり、ヘラクレスは1年がかりで追い回した。鹿が消耗した所を捕獲。

<ポアロの事件>

アルカディアの若い羊飼いのような青年が、ある若い女性を探して欲しいと言った。彼女は金色の髪の両側が翼のように反りかえった、足取りの軽い美女だったと言う。二週間後の再会の約束を残し、彼女は失踪していた。ポアロはその足取りを追う
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エリュマントスの猪の捕獲 (第四の事件:エルマントスのイノシシ)

Target: 人里に被害を与える、エリュマントス山の大猪。
Episode: 雪の中に罠を仕掛け、猪の生け捕りに成功した。特に苦労はない模様。 むしろ、その道中でケンタウルス族(半人半馬)の酒を飲むといういざこざを起こした事が、お話として有名。結果、ケイローンをヒュドラの毒矢で射てしまう。また、ポロスも同じ毒矢で倒れる。
⇒ ケイローンがいて座、ポロスがケンタウルス座に。

<ポアロの事件>

スイスで第三の難業を終えたポアロは、雪山へ登るケーブルカーの中で、人間ではなく獰猛なイノシシのような、現在生きているもっとも危険な殺人犯の一人を生け捕る手助けをして欲しいと頼まれた。山の上のホテルで、ポアロと殺人犯を含む数人は、ケーブルカーの事故のため足止めを食らう。
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アウゲイアスの家畜小屋掃除 (第五の事件:アウゲイアス王の大牛舎)

Target: 三千頭の牛を飼い、三十年間一度も掃除したことがない、アウゲイアス王の汚れきった家畜小屋。小屋の汚物は国中に異臭を撒き散らしていた。
Episode: エウリステウスが、王の家畜小屋を1日で掃除する支持を与えると、ヘラクレスはそれを伏して、「家畜の一割を貰う事を条件に掃除する」事をアウゲイアス王と約束する。ヘラクレスは怪力で小屋の傍の川の流れを変え、小屋の汚れを一掃した。ちなみに、川に掃除させたのはズルという事で、一割の牛は貰えなかった。

<ポアロの事件>

政治家の世代交代。そのタイミングで、三流週刊誌は過去の「政府のスキャンダル」「汚職と横領」を暴こうとしていた。国を揺さぶるスキャンダルを大牛舎の掃除をする大洪水のような猛烈な力で押し流して欲しいと、依頼人は言うが...。
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ステュムパロスの鳥退治 (第六の事件:スチュムパロスの鳥)

Target: ステュムパロスの町を荒らす、鉄の口ばしと爪を持った怪鳥。人を食らう。
Episode: 鳥は大群で沼地にいて、とても近づけない。ヘラクレスは、女神アテナの教えで、鍛冶の神ヘパイストスが作った楽器を鳴らして鳥を起こした。鳥が飛び立ったところを、ヒュドラの毒矢で射殺した。

<ポアロの事件>

湖畔のホテルでハロルドは、感じの良い美女とその母親と出会う。そのホテルには、鳥の口ばしのように長い湾曲した鼻を持ち、両肩のマントが鳥の羽のように見える、二人の不気味な女性も泊まっていた。人を獲物とする猛禽を退治するため、ポアロが警笛を鳴らす。
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クレタ島の雄牛の捕獲 (第七の事件:クレタ島の雄牛)

Target: ミノスが王位に就く際海神ポセイドンから与えられた、巨大で美しい雄牛。ミノスが、改めてこの雄牛をポセイドンへ捧げるという約束を破ったため、ポセイドンはこの牛を狂わせ、凶暴にした。
Episode: ヘラクレスはこの雄牛を殴って捕まえ、エウリステウスに見せてこの難業をクリアとした。

<ポアロの事件>

ポアロを訪れた若い女性は、突然の婚約破棄の相談をして来た。相手はたくましい胸と肩、素晴らしく均整の取れた長身、全身に力と男らしさのみなぎった若い雄牛のような青年だった。しかも彼は、酷く凶暴になる精神異常を起こしかけていると言うのだ。
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ディオメデスの馬の捕獲 (第八の事件:ディオメーデスの馬)

Target: ディオメデス王の飼っていた、四頭の人食い馬。
Episode: ヘラクレスは王に、馬を見せて欲しいと頼んだ。そして、暴れる人食い馬の近くまで行くと、ディオメデス王を殺して馬に食べさせ、満足して大人しくなった所を捕獲した。

<ポアロの事件>

厩舎街(ミューズ)で起こったトラブルに、若い娘が巻き込まれていた。少女は四人姉妹で、彼女達は人を食い物にする人食い馬なのだろうか、それとも...。ポアロは馬に人を食わせようとするディオメデスを滅ぼせるのか。
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ヒッポリュテの帯を手に入れよ (第九の事件:ヒッポリュテの帯)

Target: 戦いの神アレスの末裔である、女戦士の部族アマゾン族の女王ヒッポリュテの帯。
Episode: ヘラクレスが帯を必要としている事情を説明すると、ヒッポリュテは帯を与える事を約束した。しかし、ヘラクレスを憎むヘラの謀略で、ヘラクレスがヒッポリュテを狙っていると誤解。武器を手にヘラクレスの元へ集ったアマゾン族たちは、逆に謀られたと誤解したヘラクレスに討たれてしまう。ヘラクレスは、ヒッポリュテを殺して帯を手にする。

<ポアロの事件>

ホテルで起こったデモに乗じて、画廊からルーベンスの絵が消えた。同じ頃、女学校の少女の蒸発事件が起きていた。少女は無事保護されたが、二つの事件にはどんな関係があるのだろうか...。ポアロは絵画を手に入れなければならない。
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ゲリュオンの牛の捕獲 (第十の事件:ゲリュオンの牛たち)

Target: 三つの頭と胴体を持つ怪物・ゲリュオンが飼う赤牛の群れ。
Episode: 牛たちは、牛飼いのエウリュティオンと番犬のオルトロスが見張っていたが、ヘラクレスはこれらとゲリュオンを殺し、牛を手に入れた。

<ポアロの事件>

「ネメアのライオン」に登場したミス・カーナビィが、ポアロの元を訪ねて来た。友人が、「羊飼いの信徒」という新興宗教のカモにされかけていると言う。ポアロは、そのアンダースン博士が討ち果たすべき怪物ゲリュオンであると考え、調査を開始した。
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ヘスペリデスの園のりんごを手に入れよ (第十一の事件:ヘスペリスたちのリンゴ)

Target: ゼウスとヘラの結婚を祝福し、大地の女神ガイアがヘラにプレゼントしたもの。黄金のリンゴが実る。ヘスペリス(黄昏)の園にあり、ヘスペリデス(黄昏の女神たち)と百の頭を持つ眠らない竜・ラドンが守っている。その黄金のリンゴは、ゼウスが良く愛人にプレゼントしていた。
Episode: ヘラクレスはヘスペリデスの園を探して方々を駆け回り、各方面からヒントを得て、最終的にはヘスペリデスの父・巨神アトラスに助力を頼んだとも、直接乗り込んだとも言われる。
アトラスに頼んだ説では、アトラスがその肩で支えている天球を、一時代わって支える代わりにリンゴを得たと言う。直接乗り込んだ説では、ラドンを倒してリンゴを得たとも言われる。ヘスペリデスを助けたお礼に、リンゴを得たという説も...、何がなにやら。
⇒ 殺されたラドンは、りゅう座になった。

<ポアロの事件>

ポアロの元に、金の杯を取り戻して欲しいとの依頼が来る。杯はイタリアへ行ったとも、アメリカへ渡ったとも、オーストラリアへ行ったとも思われるが、ヘラクレスのように旅をするのは...。
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地獄の番犬ケルベロスの捕獲 (第十二の事件:ケルベロスの捕獲)

Target: 冥界の門の番犬・ケルベロス。3つの頭と、蛇の尾を持つ巨大な魔物。
Episode: 女神アテナの導きで、ヘラクレスは冥府の神ハーデスの元へ辿り着く。ハーデスが「素手でケルベロスを捕まえられれば、貸してやる」と言った為、ヘラクレスはその言葉のままに素手でケルベロスを捕まえた。 エウリステウスにケルベロスを見せ、ヘラクレスの十の難業(十二の難業中、不可2つ)を終える事ができた。

<ポアロの事件>

珍しく乗った地下鉄の駅で、ポアロはヴェラ・ロサコフ夫人に再会した。「どこへ行けば会えるの!」と叫んだポアロに夫人は、「地獄で...」と答えた。悩んだポアロが、ミス・レモンに地獄について尋ねてみると...。
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